天王寺マリアクリニック

子どものワキガ対策と治療法について

目次

なぜ子どもは思春期になるとワキガを気になりだすのか

なぜ子どもは思春期になるとワキガを気になりだすのか

「今までも脇汗などをたくさんかくことはあっても、そんなに臭いなんて気にならなかったような気がするのに、最近急に臭いが気になる」
ご相談にいらっしゃる方の多くはこのようなことを仰ります。自分の子どもが急にワキガになった!と感じる方もいますが、少し違います。実はここにはしっかりと理由があります。

ワキガのあの独特な臭いはアポクリン汗腺から分泌される汗が大きな原因の1つです。このアポクリン汗腺は性ホルモンが活発になると同じように活発に働き始めます。

思春期前の脇汗はエクリン汗腺という、無臭の汗が出ていたため臭いは気になりませんが、思春期になると性ホルモンが活発に分泌されるため、今までよりもアポクリン汗腺が活発に活動し、アポクリン汗腺から分泌される汗が増え、そのためあの特有な臭いが発生してしまう、というのが思春期に入ったお子様の臭いが、突然気になる理由です。

子どものワキガの仕組みと主な原因

子どものワキガの仕組みと主な原因

ワキガ臭が発生する原因は主にアポクリン汗腺からの分泌物です。

子どものワキガは親からの遺伝や生活習慣が影響することがあります。アポクリン汗腺は、主に脇の下や陰部、乳輪などに存在し、思春期以降に活発化します。この汗腺から分泌される汗は、無臭ですが、皮膚表面の細菌と反応することで、独特の体臭を発生させます。

子どものワキガは、遺伝的な要因や生活習慣、ホルモンバランスなど、様々な要因が複雑に絡み合って発生します。

子どものワキガ体質は遺伝する

子どものワキガ体質は遺伝する

では、自分の子供がワキガ体質かどうかはどうやったらわかるのでしょう?

ワキガ体質かどうかは、アポクリン汗腺の数や大きさによって決まります。
このアポクリン汗腺の数や大きさは、遺伝によって決まるものなので、生まれたころにはワキガ体質かそうでないかはおおよそ決まっています。父親か母親の一方がワキガ体質の場合、遺伝する確率は5割と言われており、両院共にワキガ体質だった場合、遺伝する確率は8割と言われています。

したがって、遺伝の影響で生まれたときからワキガ体質かそうでないかは決まっており、後天的に、誰かのワキガがうつる、ということはありません

ワキガセルフチェック

お子さまがワキガかどうか不安な場合は、セルフチェックを試してみましょう。

セルフチェックは、お子さまの状態を客観的に確認するための簡単な方法です。気になるサインがあれば、早めに専門クリニックでカウンセリングを受けてみるのも良いでしょう。早期に適切な対策を講じることで、お子さまの快適な日常をサポートできます。

子どものワキガは自然に治らない

先述したように、ワキガはアポクリン汗腺の数や大きさの問題のため、何もせずに自然に治ることはありません。

ただし、生活習慣を見直すことでにおいが軽減され、症状が落ち着くことはあります。しかし、残念ながらこれはワキガが治ったわけではなく、症状が落ち着いたにすぎません。

家庭でできる子どものワキガ対策

脂っこい食事を控える

脂っこい食事を控える

食生活は、体臭に大きな影響を与えます。特に、脂っこい食事や動物性脂肪の多い食事は、ワキガを悪化させる可能性があります。

ワキガ対策には、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。野菜や果物、魚介類など、ビタミンやミネラルが豊富な食品を積極的に摂取しましょう。また、乳製品や肉類などの動物性脂肪の摂取量を控えることも大切です。これらの食品は、汗の分泌量を増やし、ワキガ臭を強める可能性があります。さらに、発酵食品や食物繊維を多く含む食品も、腸内環境を整え、体臭を改善する効果が期待できます。

清潔な状態を保つ

清潔な状態を保つ

ワキガ対策には、清潔な状態を保つことが重要です。

毎日入浴し、脇の下を丁寧に洗いましょう。石鹸やボディソープは、抗菌効果のあるものを選ぶとより効果的です。また、汗をかいたらすぐに着替え、汗で濡れた衣服はこまめに洗濯することが大切です。汗をかきやすい季節には、汗取りパッドやデオドラントスプレーなどを活用するのも有効です。

制汗剤を使用する

制汗剤を使用する

制汗剤は、汗の分泌を抑える効果があり、ワキガ対策に有効です。制汗剤には、アルミニウム塩やエタノールなどの成分が含まれているものが多く、これらの成分が汗腺の開口部を塞ぎ、汗の分泌を抑える働きをします。

しかし、アルミニウム塩を含む制汗剤は、肌に刺激を与える可能性があるため、敏感肌の人は注意が必要です。また、制汗剤は、効果が持続する時間や成分、香りなど、様々な種類があります。自分の肌質や体質に合った制汗剤を選び、適切に使用することが大切です。

子どものワキガ治療法

ボトックス注射による治療

ボトックス注射による治療

ボトックス注射は、ボツリヌス菌から抽出した毒素を、アポクリン汗腺に注射することで、汗腺の活動を抑制する治療法です。

ボトックス注射は、短時間で効果が期待できる治療法ですが、効果は数ヶ月程度しか持続しません。そのため、定期的な注射が必要となります。また、ボトックス注射は、保険適用外のため、全額自己負担となります。

ミラドライによる治療

ミラドライによる治療

レーザー治療は、アポクリン汗腺を破壊することで、汗の分泌を抑える治療法です。

レーザー治療は、ボトックス注射よりも効果が長く持続すると言われています。しかし、レーザー治療は、ボトックス注射よりも費用が高く、施術時間も長くなります。また、レーザー治療は、肌への負担が大きいため、慎重な検討が必要です。

剪除法(手術)による治療

剪除法(手術)による治療

剪除法(手術)による治療は、アポクリン汗腺自体を除去する治療法です。

剪除法は、最も効果が高い治療法ですが、同時にリスクも伴います。手術には、麻酔が必要で、術後の痛みや腫れ、感染症などのリスクがあります。また、手術による治療は、保険適用外のため、全額自己負担となります。手術による治療は、ワキガの症状が重度で、他の治療法が効果がない場合に選択されることが多いです。

「子どものために、いち早くワキガの根本治療を!」には注意!

「お子様がワキガ体質かも?」となると、いち早く改善させてあげたい、という思いになるのはよくわかります。
しかし、成長期がまだ終わっていないお子様に対して、すぐにワキガの根本治療を行うことはあまりお勧めできません。その理由は大きく分けて2つあります。わきがの根本治療を行うかどうかはしっかりと医師と相談し進めることをおすすめします。

治療後にアポクリン汗腺が増えてしてしまうこともある

アポクリン汗腺は幼少期には活動しておらず、思春期と言われる、第二次性徴の時期に発達し、活動が始まります。
この第二次性徴が終わると、それ以降アポクリン汗腺が増えたりすることはありません。

逆をいうと、第二次性徴の時期が終わるまでは、アポクリン汗腺が発達してしまうことがあるため、時期が終わる前に原因であるアポクリン汗腺を手術でとったり、治療で破壊したりしても、その後にアポクリン汗腺が発達してしまい、症状が再発してしまうことも考えられます。
せっかく根本治療をしたとしても、再発してしまったら残念ですよね。

思春期の一時的なワキガの症状の可能性も

「思春期の頃はワキガが気になっていたけど、いつの間にか気にならなくなった」という方もいます。これにはアポクリン汗腺の元々の役割に関係があります。

アポクリン汗腺はもともとフェロモンの役割があったと言われています。そのため、思春期に活発になる性ホルモンの影響を受けやすいと考えられています。
この思春期の一時期だけアポクリン汗腺の活動が活発になり、汗のにおいが強くなるケースもあります。

ワキガ体質ではない人は、体が成長するにつれて、自然にアポクリン汗腺の活動が鈍くなり、気になっていたにおいが薄れていきます。結果として、自然に治ったかのように、症状が落ち着く、というわけです。

お子様のワキガでお悩みの方は、専門クリニックへご相談ください

お子様のワキガでお悩みの方は、専門クリニックへご相談ください

天王寺マリアクリニックはミラドライ専門クリニックとしてワキガ・多汗症の治療を専門で行っております。お子様のお悩みに関しても、症状を確認しながら適切な治療の提案や、根本治療が出来なくとも、悩みを最小限に抑えるための生活習慣のアドバイスなどを丁寧に行っております。

ワキガに関するお悩み相談は無料で行っております。
悩みを抱えずに、まずはワキガ治療の専門医師のいる、天王寺マリアクリニックの無料カウンセリングにお越しください。

医師監修

小林幸子先生

横浜マリアクリニック 院長

小林幸子先生

【経歴】

平成16年 獨協医科大学卒業

平成23年 横浜マリアクリニック開設(旧セシルクリニック)